「みんな、起きて起きて。今日は忙しいんだから」
ハンナは朝からはりきっています。
「おはよう、今日は早いね」
ポヨンはまだ眠たそうに目をこすりました。
キッキとグーラも、寝ぼけた声であいさつをします。
「メリークリスマス!早く準備をしましょ、クリスマス・イブなんだから」
「準備!?」
3人が声を揃えて聞き返します。
「もちろんよ。ちゃんと準備しなくちゃ、サンタさんが来てくれないでしょ」
「ジングルベル、ジングルベル~♪」
ハンナは歌いながら、森へ向かいます。
ポヨンたちも、ハンナにせかされてあとに続きました。
「まずは、松ぼっくりと落葉を集めるの。
落葉は、形も色もなるべくきれいなものを選んでね」
ハンナはてきぱきとみんなに指示を出します。
「ホワイ?クリスマスと松ぼっくりって、関係あるのかい?」
キッキがこっそりポヨンに聞きます。
「何か、ごちそうができるのかな」
「そうクサ、きっと落葉を燃やして焼きぼっくりをつくるクサ」
「焼きいもじゃなくて、焼きぼっくり?ミーはノー・サンキューだな」
3人でこそこそしゃべっていると、
「おしゃべりしてるひまなんて、ないんだから」
ハンナの声が飛んできました。
ポヨンたちは、半日かかってようやく松ぼっくりと落葉を集め終わりました。
「いよいよ、焼きぼっくりクサ」
グーラがキッキに耳打ちしたとき、
ポッポポが大きな枝をくわえてやってきました。
「ありがとう、ポッポポ」
ハンナがうれしそうに受け取ったのは、もみの木の枝です。
「さあ、クリスマスツリーを作りましょ」
松ぼっくりと落葉は、もみの木につける飾りだったのです。

「ほら、できた」
最後に、星の代わりのもみじの葉をてっぺんにつけると、
クリスマスツリーが完成しました。
「やったね、ハンナ」
「これならサンタも喜んでくれるクサ」
「イエス!ワンダフルだぜベイビー、じゃなくてハンナ」
ハンナは満足そうにうなずきながら言いました。
「次は、プレゼントを入れてもらう靴下を用意しなくちゃ」
「靴下?そんなもの、この森にはないぜ」
「そっかぁ・・・どうしよう。それじゃあ、サンタさんが来てくれないわね」
ハンナはしょんぼりとうつむきます。
「入れ物さえあれば、靴下じゃなくても大丈夫だよ。
サンタはやさしいんだから」
「そうクサ。何か入れ物を探せばいいクサ」
ポヨンたちは、靴下の代わりになるものを探しに、もう一度森へ行きました。
枯れ枝、木のつる、午前中に集めた松ぼくっりに枯葉。
靴下の代わりになるようなものは、なかなか見つかりません。
「あっ、これなら入れ物になるかしら」
ハンナはお椀のようなものをかかえて、ポヨンに見せました。
「それ、いいね。水を入れるのにぴったりだ」
ハンナが見つけたのは、ドングリの帽子でした。
ポヨンもあわててドングリの帽子を探しはじめます。
でも、秋にはあんなにたくさんあったドングリが、もうどこにもありません。
一所懸命に探しているポヨンの後ろ姿を見ていたハンナが、
急に笑い出しました。
「ポヨンったら、探さなくてもちゃんと入れ物を持っているじゃない」
ポヨンの腰についている豆の袋です。
「そうか!ねぇハンナ、この豆の袋を貸してあげるから、
ドングリの帽子をボクに貸してくれないかな」
ポヨンは、サンタからおいしい水をプレゼントして欲しかったのです。
ハンナは豆の袋の方が靴下に似ていると言って、大喜びで交換してくれました。
「グーラとキッキ、遅いわね」
ハンナとポヨンは、すっかり準備を終えて湖のほとりに戻っていました。
「靴下代わりになるものって、なかなか見つからないからね」
すると、ヘトヘトになりながら歩いてくるグーラとキッキが見えました。
ふたりとも、なんだか様子がへんです。
よく見ると体中に白い糸が巻きついているのです。
「どうしたの?その糸」
「クモの巣だクサ」
「クモの巣なら、網の袋になってちょうどいいと思ったのさ。
グッドアイデアだろ。ところが、取ろうとすると体中にくっつくんだ」
ポヨンとハンナは大笑いしましたが、
確かに、ふたりはクモの巣の袋のようなものを持っていました。
夜になると、みんなで星を見上げながら歌をうたって
クリスマスをお祝いしました。
そして、それぞれ靴下代わりの入れ物を枕元において、
サンタが来るのを夢見ながら眠りについたのでした。
