水鉄砲から飛び出したポヨンは、プールの脇に立つ木にまっしぐら。
その木の葉っぱにぶつかって大きくバウンドすると、塀の外の道路へ放り出されました。

「イテテテテ」おしりをなでながら立ち上がったところは、今までとぜんぜん様子が違います。まず、プールがありません。そして、ときどきものすごいスピードで何かが走り去って行きます。
「ここは、どこなんだろう」
ボンヤリ突っ立っていると、毛むくじゃらの大きな顔がヌーッと近づいてきました。そして、ポヨンの体中を鼻でクンクンするのです。
「なによこの子、何の匂いもしないわ」
「キミ、だれ?」
「あんたこそ、だれよ」
「ボク、ポヨン。水の精だよ」
「水の精ねぇ。アタシはネコよ、じゃあね」
ネコは、長いしっぽを立てて、そのままどこかへ行ってしまいそうになりました。ポヨンはあわててネコを呼び止めます。
「待って!ボク、プールに帰りたいんだけど、道を教えて?」
ネコはクリーンさんちのプールを知りませんでしたが、水の入っている四角い箱なら知っていると言って、ポヨンを案内してくれました。
そこは、ネコが暮らしている家のようです。たくさんある部屋のひとつに入っていくと、確かにそこには四角い箱のようなものがあります。
ポヨンがその箱を見上げていると、ネコがくわえて箱のふちまで飛び上がってくれました。
「ほら、水がいっぱいでしょ」
ネコが言うと、ポヨンは大喜びで水の中に飛び込みました。ポヨンは一緒に遊ぼうとネコを呼んだのだけど、
「アタシは水が嫌いなのよ」
そう言ってどこかへ行ってしまいました。
クリーンさんちのプールほど広くはないけど、とにかくまた泳げるようになったのです。ポヨンがホッとして泳いると、突然、上から何かがおおいかぶさってきて、まわりが真っ暗になりました。
驚いて逃げようとしたのですが、どこにもすき間がありません。
そのうちに、妙にポカポカしてきました。はじめはいい気持ちだったのだけど、なんだかボーッとしてきました。
「ふわぁ?、どう…なって・・・る・の」