ザッブーン!ものすごい水音で、ポヨンは目を開けました。そうそう、妙にポカポカして、頭がボーっとしてきたところまでは覚えていました。でも、そのあとのことは、なんにも覚えていません。結局、そのまま気を失ってしまっていたようです。
そして今、ポヨンはあったかいお湯に浮いて揺られていました。目の前には、見たことのない大きな顔があります。クリーンJr.でも、 その友達でもありません。
そもそも、ここはクリーンさんちではないのです。その顔は、なんだかやけにツルンとしていました。 今まで見たどの人間の顔とも違っています。頭に髪の毛というものがないのです。
「この人の頭はすごいや。ツルツル、ピカピカだぁ」
ポヨンはすっかり見とれてしまいました。
そのツルピカが、気持ちよさそうに目をつぶって言いました。
「ああ、いい湯だ。やっぱり、風呂は最高じゃのう」
それでポヨンは、ここがフロというところだと知りました。たしかにフロはあったかくて、なかなか気持ちいいところです。ポヨンは、ツルピカのまねをして
「ああ、いい湯だ」
と目をつぶって言ってみました。
そのときです、急にふわりと浮き上がったかと思うと、パッシャーンと ツルピカの頭の上に投げ出されました。
「おっとっとっと」
ポヨンは、必死で何かにつかまろうとしましたが、どこにもつかまるものが ありません。

そのまま頭の上をすべって、お風呂の中に落っこちました。
ツルピカは、お湯をすくっては何度も顔をこすっていたのです。 ポヨンは、また頭にはね上げられました。今度は要領がわかっていたので、 うまいことすべりおりました。
ちょっと面白くなってきました。
パシャン、ツルン。パシャン、ツルン。
ポヨンは、ときどき宙返りまでして、大喜び。カエル君と遊んでいた頃を思い出します。
だけど、新しい友達ツルピカはしばらくするとお風呂から出て、どこかへ 行ってしまいました。ポヨンは、ゆらゆら揺れるお風呂の中で、またひとり ぼっちになってしまったのです。