草の中から突然聞こえてきた声に、驚いたポヨンは身がまえました。
カビィと戦ってきたばかりだったので、
また恐ろしいものがいるのではないかとドキドキです。
「誰かいるの?」
すると、草がもぞもぞと動いて、起きあがるではありませんか。
「イテテテ。気持ちよく昼寝していたのに、
のしかかってくるなんてひどいクサァ」
「キミは誰?」
「グーラ」
「あなた妖精ね」
グーラのへんな話し方にクスリと笑って、ハンナが言います。
「草の妖精だクサ」
川から吹いてきた風で、グーラの頭がゆらゆらとそよぎました。
ポヨンは、自分たちも妖精であることや、この川にたどりついたいきさつなどをすっかり話し、さっき川の中でカビィと戦ったことも興奮ぎみに話しました。
「ここはいい所なんだけど、川の水はあんまりきれいとは言えないクサ。
カビィも住んでいるし、他にもいろいろね」
「もしかして、川に人間も住んでる?」
ポヨンは自転車のことを思い出して聞きました。
「川に人間は住めないクサァ」
グーラは吹き出しそうになりながら答えます。
「でも、人間はよく川に遊びに来るクサ。
釣りをしたり、ときどきバーベキューなんかもしたりして」
ただ、遊んだあとたくさんのゴミを置いていってしまうので、それが川に
流されて水を汚しているのだと、グーラは言いました。中には、わざわざ
ゴミを持ってきて捨てていく人もいるというのです。
「ずいぶん前に、こわれた自転車を捨てていった人もいたクサ。
ほら、今でもあそこに見えるだろ」
「捨てられた自転車だったんだ!」
ポヨンたちは、謎が解けたというふうに3人で顔を見合わせました。
グーラによれば、その自転車のせいで川はますますひどいことになっている
らしいのです。自転車が水で腐りはじめて、そこからサビィという恐ろしい
ものがどんどん生まれていると言います。
「サビィだって!?」
ポヨンもハンナも、カビィのあの恐ろしい姿を思い出してぶるぶるっと身震いしました。きれいな水どころか、公園の池にはいなかったサビィなんていう
ヤツまでいるなんて。