「おっとっと」気持ちよく泳いでいたポヨンは、何かにぶつかりました。
「あっ、ごめんなさい」1匹の魚でした。
「こんにちは、初めて見る顔だね」ポヨンはニッコリと挨拶しました。
「旅の途中です」
魚はそう言って、長い旅の話をしてくれました。
川の上流にある、小さな湖からここまで泳いできたそうです。
そして、これからまだ旅を続け、海まで行くと言いました。
湖と聞いて、ポヨンはなつかしくなりました。
「どんな湖だったの?」
「小さいけどとても美しい湖で、
鹿や小鳥たちが水を飲みにやってきました・・・昔は」
最後はとても小さな声でした。
「ねぇ、その湖の真ん中に島はなかった?」
「どうして知っているんですか」
「ホント!?そこ、きっとボクが生まれた所だよ!」 
魚の話では、この川を上流にたどっていけば、湖にたどりつくらしいのです。
「泳いで行ってみようかな」
「大分、遠いですよ、それに・・・」
何か言いかけて魚は口をつぐみました。
「でもキミは泳いできたんでしょ」
「そうですが、流れに乗って泳げましたからね。それでも、何日も
かかりました。ここから湖に行こうと思ったら、流れに逆らって
泳ぎ続けなければなりません。私のお母さんは、川を上って湖の近くまで
やってきたそうですが、私を生むと力尽きて死んだそうです」
魚はまたすぐに旅に出てしまいましたが、
ポヨンはふるさとの湖のことが頭から離れません。
「ポヨン、やめた方がいいわよ」とハンナ。
「死んじゃうクサ」グーラもとめます。
ポヨンもあきらめてはいるようですが、毎日ため息ばかりつくように
なりました。あんなに大好きだった泳ぎもあまりしません。
今までは、きれいな水さえあればそれで楽しかったのに、生まれた湖の場所が
わかってみると、やっぱり帰ってみたくなったのです。
心配したハンナとグーラは、ポッポポに相談しました。
話をすっかり聞いたポッポポは、言いました。
「わかりました、ワタシが乗せて行きましょう」
「ホント!行けるの?じゃあ、わたしも行く」
「ボクも行くクサ」
ふたりはポヨンの所へ走っていきました。