ポヨンは、体中に力を入れて頭のアンテナから水を出します。
「ウーン」ピューッ!
フワフワが一瞬、体から離れました。
そのすきに逃げ出そうとすると、突然声がしてきました。
「ウホホホホ、くすぐったい。あんた、誰ズラ?」
フワフワの中に、目と口があらわれたのです。
「ワシにけんかを売ろうってのかい」
ものすごい迫力でにらまれました。
「助けてぇー!」

ポヨンは、また動けなくなってしまいました。
おまけに、今度は顔にまでフワフワがせまってきて、息も苦しくなったのです。
カビィと同じヒドイ匂いまでしています。
「く、くるしい・・・」
ポヨンはだんだん気が遠くなってきました。
「ワシにはむかおうなんて、100年早いズラァー!!!ウッホホホホ」
ポヨンは、さらにぐいぐいと締めつけられていきます。
「もう・・ダ・メ・・」
気を失いかけたとき、遠くから聞き覚えのある声が聞こえてきました。
「ポヨーン!」
声はだんだん近づいてきます。
「ポヨン、今助けてあげるから、がんばってー!」
ハンナでした。ポヨンはもうろうとしながら、上を見上げました。
水面の向こうに、ピンク色の影が見えます。そして、ハンナの頭の花がまず水の中に入ってきました。
花はゆらゆらとゆれて、甘い香りがしてきます。
「ファックシーョン!」
ものすごいくしゃみがして、ポヨンを締めつけていたフワフワがゆるみました。
ポヨンは最後の力をふりしぼって、水面まで泳いでいきます。
必死の思いで水の上に顔を出すと、空中にハンナが浮かんでいるではありませんか。
「ポヨン、つかまって」
ハンナが手を伸ばします。
岸にいるキッキがハンナを抱いて、湖の上に差し出しているのです。
「カモン、ポヨン。急ぐんだ!またヤツにつかまっちゃうぜ。」
ポヨンはあわててハンナの手をつかみます。
それを見るとキッキは、ふたりをいっぺんに岸に運びました。