「ユー、あぶなかったぜ。
ハンナがヘルプしてくれなかったら、どうなっていたか」
「わたしは、キッキにだっこされて手をさし出しただけよ。
すごかったのは、キッキだわ」
「ふたりともすごかったクサ。
だけど、キッキの体がグワーンと伸びたのには、びっくりしたクサぁ」
グーラが目をまるくして言いました。
「みんな、どうもありがとう」
でも、ポヨンはまだヘナヘナとすわりこんだままです。
「ホントに、もうダメかと思ったんだ。恐かったぁ・・・」
「キッキ、あの不気味なやつはいったい誰なの?」
ハンナが聞きます。
「モズラさ」
「モズラ!?」
水が減って湖がよどむようになると、モズラはどこからともなく
あらわれたというのです。そして、ものすごい勢いで増えて、
湖全体を黒ずんだ緑色に変えてしまいました。
「体の一部が分裂して、どんどん増えていくんだぜ。
湖はあっという間ににモズラだらけさ。オー・マイ・ゴッド!」
でも、それだけではなかったのです。
しばらくすると、もっと恐ろしいことが起こりました。
モズラのフワフワの体に包まれて、息ができなくなってしまった魚たちが、
次々と死んでいったのです。
ポヨンたちは、その恐ろしい話に震え上がりました。

「モズラのせいで、太陽の光もさしこまなくなった湖の中はまっくら。
底はヘドロでドロドロ。ヒドイ臭いもたちこめているらしいぜ」
「キッキは、湖の中に入ったことがあるクサ?」
「ノー!湖に入るなんて、クレイジー!ミーは湖から逃げてきたカエルに
聞いたのさ。でも、逃げられたのはベリー・ラッキーなカエルで、
モズラにつかまって死んでしまった仲間がたくさんいるって聞いたぜ」
ポヨンは、生まれた頃に一緒に泳いでいたオタマジャクシたちのことを
思い出しました。みんな、ちゃんと逃げられたのでしょうか。
「こんなことになる前に湖から連れ出されたポヨンは、
もしかしたらベリーベリー・ラッキーだったのかもしれないわね」
ハンナがポツリと言いました。