ポヨンの冒険
ポヨンの冒険 Vol.45 芽が出た!

「グッドモーニング。ユーたち、まだ寝るつもりかい」
「ふぁー、おはようキッキ。いいお天気ね」
「まだ眠たいクサ。ポヨンは、もう出かけたクサ?」
あの大雨の日から、もうすぐ半年がたちます。
ポヨンは毎朝欠かさず、ドングリの様子を見に行っていました。
特に、最近は芽を出す日も近づいて、ものすごくはりきっています。
水やりもはじめました。わざわざ川まで行って吸い込んできた水を、
頭のアンテナから出して土にかけるのです。
水やりをするポヨン。












「ただいまぁ」
ポヨンが帰ってきました。
「どう、芽は出た?」
ハンナが聞くと、ポヨンはニコニコ笑いながら答えます。
「まだだけど、きっともうすぐだよ」
なんだか、とてもうれしそうです。
「何かいいことでもあったクサ?」
ポヨンは大きくうなずきます。
「ブルドーザーが消えてたんだ!」
「ホント!?」「アンビリバボー!」

大雨の翌日から、森の向こうの様子が変わってきていました。人が大勢やってきて
ブルドーザーの前に座り込んだり、工事現場のまわりにたくさんの看板が立てられたり。
街の様子を見に行ったポッポポの話では、大雨で川が氾濫して家が水びたしだったそうです。
そして、あるときからブルドーザーの音が聞こえなくなったのです。
止まったままピクリとも動かなくなり、冬の間、一度も音は聞こえませんでした。
「寒いから、冬の間だけ休んでいるのさ」キッキはそう言っていました。
でも、春が来てもブルドーザーは動き出さず、今日ついに姿を消したというのです。

さっそく、みんなで確かめに行きました。
「やったわね、ポヨン!」
昨日までそこにあった大きな機械のかたまりは、本当にもうどこにありません。
「もう、森の木が倒されることはないクサ」
「ドングリが育って木が増えれば、元の森に戻るよね。
湖もきれいになってみんな帰ってくるよね」
「オフコース!それにしても、どうして消えたんだろう?」
「理由なんかどうでもいいわよ。とにかく、バンザーイ!」

その夜、ポヨンは夢を見ました。昔のあのきれいな湖で気持ちよく泳いでいるのです。
小鳥の声が聞こえます。鹿も水を飲みにやってきました。ハンナやグーラ、キッキも
一緒に泳いでいます。岸には、ポッポポと林のカラスがこちらを見ています。
そして、なんとクリーンJr.までいました。
「みんな、お帰り」
ポヨンはニヤニヤ笑いながら、寝ごとを言っているようでした。

幸せそうなポヨンの寝顔に朝陽があたりはじめた頃、森の向こうの工事現場では、
あちこちから、小さな緑色の芽が顔を出していました。

(「ポヨンの冒険」 第3章 おわり)

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■次のお話は特別編「クリスマスの準備」です。■
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