アリンコは、土の中でカエル君を見かけたらしいのです。
「巣に帰る途中でさぁ、道に迷って土の中をぐるぐる回っていたら、カエル君の顔にぶつかったんだ」
「えっ!そんなに近くにいるの?カエル君ったら、なんで帰ってこないんだろう」
ポヨンは、アリンコに頼んで、カエル君のところへ連れていってもうことにしました。
クリーンさんちの庭の大きな桜の木の根もとに、アリンコの巣へ通じる穴がありました。
「うわっ!こんな小さい穴、ボク入れないよ」
ポヨンが尻込みすると、アリンコが無理やり手を引っぱります。
「こんなの気合いだよ。入れると思えば入れるさ」
そんなムチャな、と思いましたが「あららら」ほんとにスルリと入ってしまったのです。
「ポヨンは、妖精だろ。どんなところにだって行けるのさ」
アリンコは、当然という顔で言いました。
土の中は暗くて、何がなんだかよくわかりません。ポヨンは、必死でアリンコのあとについて歩き続けました。と、突然、何か柔らかいものにぶつかりました。
「カエル君だよ」
アリンコが耳元でささやきました。
ようやく慣れてきた目をこすってよく見ると、確かにそれはカエル君の顔のようです。
「カエル君」ポヨンは呼んでみましたが、返事はありません。
カエル君は目をつぶったまま、ピクリとも動かないのです。
「カエル君!死んでるの?カエル君!カエル君ってば!」
泣きそうなポヨンに、アリンコが
「寝ているんだ。春まで起きないよ」と教えてくれました。するとポヨンは、「春だぁ、春!春!春だよ!」
大きな声で叫んで、カエル君を起こしてしまったのです。

「ふわぁぁ」カエル君が目をあけました。
「よかった、ちゃんと起きたね」
ポヨンはようやくホッとしたようです。
「あれ、ポヨンじゃないか。なんで泣いてるの?」
カエル君は不思議そうに目をパチクリさせます。
「泣いてないよ。笑ってるんだってば」
確かに目は笑っているように見えます。でも、ポヨンの顔は、涙で
グシャグシャだったのです。