早起きのスズメが、ポヨンを起こしにプールへやってきました。だけど、どこもかしこも真っ白。どうやら、プールの水も凍っているみたいです。
「ポヨーン、ポヨーン」呼んでみても返事はありません。
しーんとして、何も動く気配もありません。あきらめて帰ろうとしときです、何かがかすかに聞こえたような気がしました。
スズメは、あたりに耳を澄ましました。でも、何も聞こえません。
「空耳かな」すると今度は、「スズメ君、ここだよ、ここ」ものすごく小さな声ですが、確かにそう聞こえました。
声は、プールの端の雪の下から聞こえてくるようです。
スズメが、声のするあたりの雪をくちばしでどけてみると、氷の上でねそべっているポヨンがいました。
「やあ、おはようスズメ君」
「寝たまま、おはようって、失礼だなぁ」
「ゴメン、だけどボク動けないんだ」
ほとんど水でできているポヨンの体は、寒くなると凍ってしまうのです。ゆうべ、水の上で寝たときの形のまま、そこにかたまっていました。
「ひゃあ、ほんとカチコチだぁ」
スズメは面白がって、ポヨンのおなかのあたりを突っつきます。
それから急に笑い出しました。「ウヒョヒョ、ウヒョヒョ」おなかをかかえて笑っています。
自分を見て、変な笑い方をするスズメに、ポヨンはちょっと頭にきました。「なんだよ、スズメ君」
「ポヨン、きのう寝ながら鼻ちょうちん出しただろ。
そのまんま一緒に凍ってるよ、ウヒョヒョヒョ」
ポヨンはあわてて顔をかくそうとしましたが、体が動きません。スズメは、ポヨンをくわえるとプールの真ん中の陽当たりのいい
ところに連れていきました。
「笑ってゴメン。ここならあったかいし、早く動けるようになると思うよ」
陽ざしのなかで、鼻ちょうちんのポヨンがキラキラ光っていました。