「聞いちゃった、聞いちゃった」
森から戻ったハンナが、興奮ぎみにポヨンとグーラに駆け寄ります。
「あれ?キッキと一緒じゃなかったの」
「キッキは森で昼寝をしてから帰るっていうから、先に帰って来たの。
それより、キッキの謎が解けたのよ」
「キッキの謎!?」
ポヨンとグーラが身をのりだします。
「知りたい?」
得意そうに聞くハンナに、ふたりとも大きくうなずきます。
「キッキって、外国人みたいなへんな話し方するでしょ。
どうしてあんな話し方をするのか、わかっちゃったの」
「なーんだ、そのことクサ」
グーラが拍子抜けしたように言うと、
ポヨンも同じようにがっかりした顔をしました。
ハンナの言うことに、ふたりは全然驚かないのです。
今度はハンナががっかりする番でした。
「なによ、ふたりとも知ってたの?」
「フランス生まれだからでしょ」とポヨン。
「違うよ、中国生まれだクサ」とグーラ。
「なーんだ知らないんじゃない、キッキはロシア生まれよ」
キッキはロシアで暮らしていた頃のことを、ハンナに話してくれた
というのです。森を散歩しながら今聞いたばかりだから間違いないと、
自信たっぷりに言いました。
「ボクだって、フランスの話をキッキから聞いたんだ」
「ボクも聞いたクサ、中国のこと」
ポヨンとグーラも同じように言い張ります。
「みなさん違うことを聞いているなんて、おかしな話ですねぇ。」
さっきから3人の話を聞いていたポッポポが、首をひねって言いました。
「それに、キッキさんのことばに交じっているのは英語だと思うんですが」
「エーゴって、フランスのことばでしょ」
「違うわよ、ロシアのことばよ」
「中国だクサ」
「みなさんの聞いた国は、どこも英語をしゃべらないはずですけどねぇ」
「えーっ!?」
3人とも、すっかり混乱してしまいました。
解けたはずのキッキの謎は、反対にどんどん深まってしまったのです。