町から人がやってきて、湖は久しぶりににぎやかでした。
食料を持ち寄って、バーベキューをしている人たちもいます。
森は笑い声に包まれていました。
ポヨンたちはのんびりと湖で泳ぎながら、その様子をながめています。
すると、ハンナが首を伸ばして言いました。
「あのコップに入っているキラキラした水は何かしら」
「みんなおいしそうに飲んでいるクサ」
ポヨンには、見覚えがありました。
たくさんの小さな泡が光って、すごくきれいな飲み物。
最初はすごく気持ちよくなるのだけれど、
やがて目がまわって知らないうちに倒れてしまう恐い水。
昔ポヨンが住んでいたクリーンさんの家のパーティーで出た
お酒という飲み物で、確かシャンパンといいました。
「ちょっと飲んでみたいわね」
「少しくらいならもらっても、きっと大丈夫だクサ。ハンナ行ってみようクサ」
ふたりは岸に向かって泳いでいきます。
「あ、ハンナ、グーラ!それを飲んじゃダメだ!」
ポヨンは大急ぎで泳いで追いかけました。
「ヘイ!ユーたち、急にどうしたんだい。もう、上がるのかい?」
キッキもあわてて後を追います。
ポヨンが岸にたどり着いたときには、ふたりともキラキラの
水が入ったコップに飛び込もうとジャンプしていました。
「ワーッ、遅かった!」
大声で叫ぶポヨンを、ふたりはコップの中から不思議そうに見ています。
「ポヨン、どうしたの?真っ青な顔して」
「ポヨンもこの水を飲めば気分がよくなるクサ。すごくおいしいクサ」
「ハンナ、グーラ、そろろそ目がまわってこない?」
ポヨンが聞くと、後から追いかけてきたキッキがふたりに代わって答えました。
「目なんかまわらないさ。それはただのソーダ水だぜ」
「ホント!?シャンパンじゃないんだね」
おいしい水に目がないポヨンは大喜び。
一目散にキラキラ光る水に飛び込んだのです。
それは、ひとつだけガラスのコップに注がれた、いちばんきれいな水でした。
「あっ!オー・マイ・ゴッド。どうして違うコップに飛び込むんだ。
そっちは、ソーダ水じゃないのに」
ポヨンはみるみる赤くなっていきます。
「ほんとら、これすごくおいひいね。ヒック」
そう言うと、一気にゴクゴクと飲み干してしまいました。
「でもソーラ水って、なんかシャンファンに似ているんらね~」
「オー、ノー!そっちはシャンパンだよ」
ポヨンはごきげんでコップからはい出すと、
「ソーダ、ソーダ、おいしそーだ~♪」
とわけのわからない歌をうたいながら、
ふらふらと危なっかしい千鳥足で湖の方へ歩いていきます。
そして、湖の手前でついに目をまわして倒れてしまったのです。