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キクというと、どうしても想像してしまうのが仏花のイメージです。今では一年中出荷できて、切花にしても長く花が持ち、香りも良いことから広く仏事に使われています。でも実際にはバラを上回るほどの品種を持つ、世界的に人気の花なんです。日本でも秋になると全国各地でキクの鑑賞会が開かれますが、今回はキクの育種企業として有名な精興園を訪ねました。。 |
![]() セラマム全体にただよう香りはキクの大きな魅力。取材を忘れてうっとりとしてしまいます。
取材に訪れたこの日は、照明用機材の撤去中、光、温度、水…常に最適な環境が維持されています。
こんなに多くの種類のキクに囲まれる機会なんて、私もめったにありません、キクの奥深さを実感しました。 |
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![]() 案内していただいた、セラマムの岩崎さんと。切花でも美しい黄色ですが、地植えの状態だとさらに鮮やかですね。 |
広島県福山にある精興園は大正10年の創業以来、約100年にわたって菊の育種を手がけてきた会社で、園芸業界でも知らない人はいません。私も折りにつけてお世話になっているのですが、超ロングセラーであるキクの歴史と改良については以前から興味がありました。ここは残念ながら一般の方には公開されていませんが、より美しいキク作りに携わる人々の思いを感じていただければと思います。 |
そんなセラマムの中枢にあるのが、「実生圃場」と呼ばれる新品種の実験圃場。一株一株すべて違う品種が何万と植えられ、毎日くり返される管理と観察の中から、ほんの数株だけが商品として流通することができるといいますから、気の遠くなるような作業です。作業にあたるスタッフ(ブリーダー)は、キクそのものの特性はもちろん、市場や生産者のニーズ、流行をしっかりと把握し、数年後のトレンドを見据えたキク栽培に取り組んでいるといいます。こうなると体内時計がキクのリズムと一体化しているのではないかしら?と思うほどです。
平安時代に中国から輸入され、江戸時代に入って庶民の間に大流行したキクは、現在、観賞用の大輪のものからポットマムやスプレー咲きの鉢物など、色も形もさまざまな顔を持っています。実は私はここ何年間か、キクの活用法はもっと広げられるのではないかと思い、キクの地位向上委員を自称してきたのですが、今回の取材でセラマムの取り組みを見て、キクへの思いにまた大きな自信がつきました。皆さんも、秋を彩るカジュアルな花として、キクをもう一度見直してみてください。 |
![]() ここが将来のトレンドを生み出す実生圃場、一つ一つのキクに個性があふれています。
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古典菊の栽培は、技を競う世界です。江戸菊、肥後菊、嵯峨菊など、江戸時代から端正な美しさや奇抜な形の咲き方が伝承されてきました。新宿御苑の菊花展をはじめ、全国で開催される菊の展覧会に足を運ぶことで、その美しさを楽しむことはできますが、古典菊の栽培に少しでも興味を持ったら、愛好家というか達人の方々の話しを聞くこと。その熱心さと研究心、技術へのこだわりは、私が聞いても素直に頭がさがります。ガーデニングとは一味違った、面白い話しが聞けますよ。一方で20年ほど前から出回るようになったのが鉢植えのキク、ポットマムです。秋には様々な色の鉢花が買え、2~3カ月間は花が楽しめます。鉢の大きさに比べて花数が多く、水切れしやすいので、水はしっかりとあげて日にもよく当ててあげてください。 キクは多年草でも寿命が短く、元株は4~5年で完全に枯れてしまいますが、その間、できるだけ長く楽しむ方法を紹介しましょう。花が終わったら庭か大鉢に植え替え、地上部分が枯れたら地面ぎりぎりのところで切ります。12月の冬至時分に新芽が出てきますが、秋までそのままの状態で咲かせてしまうとヒョロヒョロとバランスが悪くなってしまうので、5月の連休ごろまでに下の葉を5~6枚残して切り戻しを行います。株に体力がつき、秋には枝数も増えて安定した姿の花を見せてくれます。 |
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千葉県出身。生家が花の農園で、幼少の頃から草花と親しんでいた。ファッションの世界で働いていたが、観葉植物専門店「グリーンハウス404」の店長を経て、園芸家に転進。グリーンコーディネートの仕事を「本当にいい仕事です」と目を輝かせる。
●NHK「趣味の園芸」の講師 ●グリーンアドバイザー認定審査員 ●(有)風のみどり塾主宰 |















