
ハンガリーの首都ブダペストは、実はヨーロッパ有数の「温泉の町」。その歴史は古く、中にはローマ時代にまで遡るものもある。写真はブダペスト市内に100余りある温泉施設の中でも、欧州最大規模を誇る「セーチェニ温泉」。市民公園の隣にあり、一見すると市民プールのようだが、20世紀初頭に建てられたれっきとした温泉だ。名物はプールの中にしつらえられたチェス盤で、お湯に浸かりながらチェスに興じる“風呂チェス”は、セーチェニの名物となっている。こうしたブダペストの温泉はパリのカフェに相当するのだそう。会社帰りにちょっと立ち寄ったり、のんびり読書に興じたり、人それぞれに過ごす憩いの場だ。「海岸はないが熱い豊かな海がある」といわれる内陸国ハンガリー。人々にとって温泉は日常生活の一部となっている。
市民公園の中にあるセーチェニ温泉は、老若男女混浴で解放的かつ優雅な雰囲気。屋外には3つの温泉&プールがあり、それぞれ24~38℃と湯温が異なる。(撮影●吉次史成) |