
インドの古都バラナシ。聖なる川、ガンジス川に抱かれたヒンドゥー教最大の聖地である。世界中から老若男女がこの町を目指して旅に出る。巡礼者の多くが手にしているのは大きな壷やポリ容器。ガンジス川で身を清めた後、その水を持ち帰るためだ。ヒンドゥー教の信者にとって、ガンジス川は神々が住むといわれるヒマラヤから流れた水をたたえた聖なる川であり、沐浴によってあらゆる罪悪が洗い流され浄化されると信じられている。また、遺灰がガンジス川に流されれば、輪廻からの解脱を得るという。バラナシを訪れる巡礼者は年間100万人を超えるといわれている。
バラナシには人々を迎え入れるガート(沐浴場)が無数に点在する。沐浴する者、水に浸かり頭から聖水を浴びる者、目を閉じ祈りを捧げる者、物売り、それを見る観光客のボート…。色鮮やかなサリーが印象的な川岸の石段はなんとも不思議なエネルギーが漂う。
ガートにやってくる者は巡礼者ばかりではない。人々はガンガ(ガンジス川)で米をとぎ、体を洗い、歯を磨き、洗濯し、水を飲み、排泄し、泳ぎ、魚を釣る。インドの日常はこの川を中心に回っているのだ。
(撮影:石川 遍)
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