水から始まる、豊かな生活マガジン[クリンスイ・クラブ] 2008 Spring vol.31
Styleのある暮らし:海外マダムのスローライフ
Cleansui Special Interview:奥野史子さん
Travel・名水紀行:鹿児島県「島原」
クリンスイをたずねて:「瑞木」
みずみずしくきれいに:「美髪のルール」
吉川ゆりのあれこれ健康コーナー:「健康のために大切なこと」
杉井明美のインドアガーデニング:「ミニバラを使った寄せ植え」
福田千峰のなんでも体験コーナー:「女性らしい体型を!で、今度はテコンドー」
スポーツコメンテーター 奥野史子さん 1992年にバルセロナオリンピックで銅メダルの獲得、日本のシンクロ界を牽引してきた奥野史子さん。現在は、スポーツコメンテーターとしてテレビ、ラジオ、執筆等幅広く活躍中。ご主人である陸上短距離走者の朝原宣治さんとの間には、一男一女に恵まれ、温かい家庭を築いています。仕事を持つ女性として、トップアスリートの妻として、そして母親としてますます輝きを増す奥野さんに、忙しくも楽しい子育ての日々と、ライフスタイルについてうかがいました。
Life style1~日常~家族ができて、一人のときとは違う視点でいろいろなものを見たり、感じたり─。
──家庭と子育てと仕事
 仕事と家庭を両立していて、大切にしていることは気持ちの切替えです。文章を書いたり自宅での作業のときは難しいのですが、外に出て人と会ったりテレビ局へ入るときには、パッと仕事モードに気分を切替えるようにしています。とはいえ、以前のように仕事のことだけを考えてというのは無理ですね。やっぱりどこかで子どものことは考えていますから。ただ、家族ができて自分なりに視野が広がったと感じています。街の子どもたちの姿がとても目に入るようになったというか…。自分の子どもだけじゃなくて子どもすべてがとても大切で愛おしいものに感じるようになりました。そういう気持ちは、きっと良い意味で仕事にも反映されていると思いますね。

子育てや仕事でストレスを感じることはありませんが、気分転換は泳ぐこと。最近はなかなか時間がないけれど、“泳ぎたい"という気持ちは常にあって、地方へ行くときなどはいつも水着を持っているんですよ。でも、以前は1時間半でも時間があれば泳いでいましたが、最近はそのぐらいの時間ならお茶してるかな(笑)。 泳ぐとスッキリするし、疲れがとれるんです。筋肉って動かさないと酸素や血の巡りが悪くなって肩こりや腰痛が出やすくなるでしょう。体を活性化するには運動をした方がいいんですよね。

主人は私が外に出て活動することに賛成してくれています。彼とは大学時代に出会ったときからシンクロと陸上。とても大事な時間を共有してきました。だから、私の性格をとてもよくわかってくれている。「私が家でじっとしているなんて考えられない、と(笑)」ただ、彼も自宅を空けることが多いし私も仕事をしているので、子どもと一緒にいられない時間をどうカバーするか、それは私たち夫婦が協力し合って解決していかなければと話し合っています。
 
Life style2~家族~彼が家に帰ってきたら、ほっとリラックスできるような環境づくりに努めたい
──トップアスリートの妻として
シーズンに入ると彼はほとんど家にいないんですよね。学生時代からなので慣れてはいますが、長い時は遠征や合宿で2、3ヶ月帰ってこないことも。
だから家では何を心がけるかというと、なによりもリラックス。疲れて帰ってきてまた家の中で疲れるということは避けたいですね。ポイントはできるだけ放っておいてあげること。本当はトレーニングや練習のことなど聞きたいことは山ほど。でも家に帰ったら忘れたいこともあるでしょう。彼から話してくる時もありますが、あえて話してこない時は聞かないようにしています。
 試合の時は、なるべく子どもを連れて見に行くようにしています。娘はパパが陸上の選手、ということが分かってるので、カッコいい父親の姿をできるだけたくさん見せておきたいなあと思うから。

上の子は今、水泳とスケートを習っています。私の影響でシンクロ選手になる、と言ってくれた時は嬉しかったのですが、その2週間後にスケートの大会が始まると“真央ちゃんみたいになる"といって(笑)。やっぱり夫婦2人の興味がスポーツで、会話も多いので環境としてはそっちの方に流れて行くのかなという感じはしていますね。すごく専門的な話をすると、DNA的には何筋が発達するんだろうと。適性をある程度のところで判断しなければ(笑)と2人で話しています。後は本人のやる気ですね。嬉しい反面、練習の厳しさも知っているので複雑な気持ちです。もちろん、本気で取り組むなら全力でサポートをするつもりではいます。
 
Life style3~夢~昔もいまも、これからも、私にとって水はとても大切なもの
──水との関わりについて
 選手時代は水の中にいた方が楽でしたね。陸の上の方が重力を感じて体が重くて(笑)。選手時代は試合が近づくと1日8時間ぐらい水の中にいました。それでも皮膚がふやけることはなかったんですよ。それが、今は前よりはふやけるようになりましたね。でもこれまでに水仕事で手が荒れたことはありません。水には強いんです。
選手の時は“水は恋人"と言っていました。いつも水と一緒にいて、水の中にいる時は陸の上にいるときよりも楽だし、何よりも心地よかった。離れてみると、中にいて心地よいとか、人生を賭けた世界とかではなく、もっと生活に密着したものに変わったような気がします。体の多くは水でできていますし、口に入る水も、生活で使う水も、なくてはならないもの。そういう見方でもっと生命に近いものとして水を見るようになったと思う。それでも昔も今も私にとって大切なものであることは変わりありません。

これからの目標は、主人が選手として現役なので妻として悔いのないように支えて行くこと。それと、まだまだ続く子育てをどう楽しく乗りきるかも大切。もう一つは、十年以上前にラスベガスでチャレンジしたアクアショーの舞台を日本でできるように働きかけたいという夢もあります。シンクロがプロとして活躍できる舞台は世界でも少ないんですよね。
昔のように目標に向かって“これ一筋"という風にはできないけれど、家族のことも仕事のことも、その状況に合わせてうまく泳いで行けたらいいかなと思っています。

働く女性として、あるいは母親として、「女性の憧れる女性」の一人である奥野さん。結婚や出産もされ、子育ても楽しむ。忙しさをバネにして自分を高めている姿勢が、表情をいきいきと素敵にさせているのでしょう。これから先も、どんな美学を持って活躍なさっていくのか、とても楽しみです

 
奥野 史子さん (Fumiko Okuno)
1972年生まれ、京都市出身。1992年のバルセロナ五輪シンクロナイズドスイミングのソロとデュエットで銅メダル(3位 )、1994年の世界選手権ローマ大会で、日本人初の銀メダル(2位)を獲得。2000年~2002年にはラスベガスの「シルク・ド・ソレイユ」の水中ショー「O(オー)」に日本人として初めて出演。2002年に陸上選手・朝原宣治氏と結婚。現在は育児と仕事を両立させながら多忙な日々を送っている。
 

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