
私:“長生き猫"の時は、ありがとうございました!
健康を保つためのヒントを、猫ちゃんから学んだ人が多かったと思います。
先生はプロの治療師が学ぶための学究団体の理事と言う立場と、治療師と言う立場の両面から、さまざまな治療師の気持ちも、患者さんの気持ちからも答えることができると思いますので、よろしくお願いします。
先生:こちらこそよろしくお願いします。日本指圧師会の「理事」と言いましても、そう大層なものではありません(笑)。会運営の実務を行う治療師が理事という肩書きなだけで、今日は、実際に患者さんと日々接している指圧師としてお答えできたらと思います。
私:では早速ですが、私はこのコーナーで、いつも「全てにおいてバランスが大事です!」と、会員の皆さんが耳にたこができるぐらい(笑)言っていまして、例えば“陰と陽"や“体と精神"、食からダイエットや薬など、全てバランスが大事でバランスが崩れると極端になると思うのですが。
先生:現代医療が「ミクロ」な視点に偏ってしまっているのに対して、東洋医学と呼ばれる考え方の範疇では、「マクロ」な視点、その「バランス」が不可欠ですね。
ただ、今の世の中は、美容や健康に限らず、目や耳に入る情報量が増え続けていて、それに伴いミクロ、マクロな視点でのバランスを保つ感性は乱れがちで、バランスを保つ事は思いの外、難しいものですよね。
私:そうですね。
そのマクロな視点の東洋医学は、陰陽五行のバランスが重要ですが、これは医療だけに留まらず日本の文化にも深く関わっていますよね。
先生:そうなんですが、残念なことに陰陽五行と言われる東洋的な考えは、現代の日本では忘れ去られがちで、まれに宣伝文句などに用いられるのを目にしますが、とても本来のそれとはかけ離れた扱いです。文化、生活、風習、もちろん身体への考え方として、これまでの環境や気候、価値観など、様々に変化している昨今において、大変に有効であるとも考えますので、バランスの取れた自身の感性の為にも、陰陽五行は注目して良いと思いますよ。思いがけない身近なところに、これら昔からの知恵が残っていたり、気付かず実行していたりしますからね。

私:季節の節目や、祭事などにみられますよね。陰陽五行については、いずれ機会があればと言うことで。
では、私達が日常において重要なバランスを保つために、どうすれば良いか。
現在、自殺者の多さが社会問題となっていますが、やはり身体と精神のバランスが保てなくなると、究極の選択をするのではないか…一時話題になった薬物問題にも関わるのではと思うのですが、身体と精神のバランスを保つために気を付けることを教えてください。
先生:難しいテーマに拍車がかかりますね(笑)。
身体と精神(心)。ここの間には神経も存在しますから身体と精神と神経。これはどれか1つが強まったり弱まったりしても駄目なんですね。神経の乱れで精神的に影響を受けたり、精神的にキツイ時にみぞおち周辺に強い痛みが出たり、分かりやすいのは、身体が不調で気分が良い事なんてあります?
私:ないですねぇ。
先生:こう考えると、バランスを保つ為にまず必要なのは身体と精神と神経、これらの状態を自身で自覚しておく事です。病気などになる前には、必ずサインが現れるものです。例えば過労や寝不足を自覚していて、身体のつらさが続いている。これはサインです。原因である過労、寝不足を改善すれば身体自身が治します。しかし現代ではドリンク剤や薬でこれらのサインを誤魔化してさらに過労、寝不足を重ねる、症状が徐々にひどくなる。こう言う悪循環に陥ってしまっている方はホントに多いのです。
私:確かに、「私はこれを飲んでいるから大丈夫」って、朝食代わりに景気付けで飲まれる人もいますね。
先生:今、問題になっている麻薬などドラッグはひとまず、おいておきます。
身近な薬として、近頃の研究では安易な睡眠薬、精神安定剤の服用で精神の大きなブレ、攻撃性が増すなどの副作用も新聞などに載る様になりました。何でも薬で何とかしようとは、それこそバランスを欠いた考えです。
私:同感です!
先生:自ら家庭や社会生活を壊す、命を絶つ、これらのケース、現代では薬物問題を無視する事ができませんね。そもそも薬というものは、漢方薬もそうなんですが裏を返せば毒でもあるんです。ですから専門の知識を持つ、お医者さんや薬剤師さんのもとに、決められた服用をしなければならないものなのですが、素人の勝手な判断で様々な薬を服用してしまうケースは年々ひどくなっていると聞きますし、インターネット等から誤った情報を鵜呑みにし、薬やサプリメントを乱用してしまうなんて正に「薬物汚染」以外のなにものでもありません。
私:先生としては薬に依存する前に、「身体と神経と心の平安を目指し指圧の治療院の門を叩いてみては」と言いたいところですよね。
先生:そうですねぇ(笑)。
症状によっては、多少治療後に身体の負担が出るケースもありますが、作用と副作用で考えるとリスクも少ないですからね。





