「water alive〜水道水を飲もう」
文化人類学者
竹村真一さん

※音声がでますので、音量にはご注意ください。

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液体の水が存在する地球 篇
僕は地球というのは「水球」だと思っているんですね。

地球というのは、宇宙の中でも本当に珍しく"液体の水"が存在する星です。
水というのは、宇宙のいろいろなところにありますが、
例えば火星では太陽から遠すぎてしまうので、
水が全部氷のような状態になっていますし、
逆に隣の金星では太陽に近すぎて、水が全部水蒸気になっているんです。

ですので、液体の水が存在するというのは非常に珍しい。
液体の水が存在するおかげで、地球の気候はとってもマイルドになっています。

例えば隣の「月」では、昼間は150度ありますが、夜はマイナス150度と両極端になるのですが、
地球では水があるおかげでそれが保温されています。

本当にいい加減の温室効果が、水のおかげで地球にはあるということですね。

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水の貿易風 篇
梅雨時に日本には"水の貿易風"という風が吹いています。

日本に降る雨。
この10粒に1粒くらいは、実はインド洋からの水蒸気がモンスーンによって運ばれてくるということがわかっています。
そして10粒に4粒くらいは、フィリピン海から運ばれてきた水です。

日本にたくさん雨が降るのは、
実はこのアジアを渡って吹く「モンスーン」という
水の貿易風のおかげなのです。

ヒマラヤを迂回してくるこの水の貿易風のおかげで、
私達はこういう恵を得ている。
日本の水のありがたさ。

これは実は地球規模の水の循環によってもたらされているわけなのです。

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硬水と軟水の違い 篇
「硬水」「軟水」と良く言いますが、
その違いについてはご存知でしょうか。

硬水というのは"ミネラル分が多い水"なのですが、
ヨーロッパというのは地形が緩やかで、
地下水や川の流れながとってもゆっくりなんですね。

ゆっくりと地面を浸透して流れてくるので、
カルシウムやマグネシウムなどがずいぶん含まれているんです。

それに対して日本は急峻な地形なので、
あっという間に水が流れ去ってしまいます。
その為、ミネラルが吸収される時間が短いので、
"丁度いい加減のミネラル分"の軟水…柔らかい水になっています。
日本の地形が生み出した恵なんですね。

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水道水と蛇口 篇
私達は蛇口から当たり前に水をもらっていますが、

C.Wニコルさんという方は
「蛇口から森が出る」ということを言っています。

実際にはそうですよね。
私達が蛇口からいただいている水というのは森の恵です。

蛇口というのは「蛇」の「口」と書きますけれども、
蛇というのは実は"川"のことで、
川や水の流れを大蛇や龍としてアジアではイメージしてきました。
その蛇の口がみなさんのご家庭に一個一個開いている。

では反対側のしっぽはどこにつながっているのでしょうか。
それは「森」なんですね。

私はそれぞれの一個一個の蛇口に小さな液晶パネルとスピーカーがついていて、
森の今のライブの映像や音が聞こえてきたら、
「水を大切に」なんて言わなくても、
水を育んでくれる森のことをみんなが考えるようになるんじゃないかなと、
そういう風に思っています。