「water alive?水道水を飲もう」

作家・ドイツ文学者
中野 京子 さん

※音声が出ますので、音量にはご注意ください。

  1. セイレーンの海の音‥
  2. セザンヌの海‥
  3. ヨーロッパの水‥
  4. ドイツの白鳥‥
  5. オランダの風景画‥
  1. セイレーンの海の音‥

    クリンスイ・ウォーターアライブ、
    今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。

    ギリシャ神話に登場するセイレーンは、
    歌声で乗組員を惑わせ、船を沈める海の魔物です。
    人魚の姿をした彼女たちは、多くの絵画に描かれてきました。
    絵画からは、波の音、帆柱のきしみ、風の音とともに、
    セイレーンの歌声が聞こえてくるようです。
    英雄オデュッセウスすらも惑乱させた、怪しくも美しいセイレーンの歌声を、
    皆さんも、絵画を通して聴いてみてください。
    水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です

    コップ一杯の水をきれいに クリンスイ

  2. セザンヌの海‥

    クリンスイ・ウォーターアライブ、
    今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。

    水を水らしく描くことは難しく、
    睡蓮で知られるモネのような達人は、そう多くありません、
    たとえば去年の「怖い絵展」に展示された セザンヌの「殺人」という作品。
    男がナイフを振り上げる衝撃的シーンで、背景は夜の水辺です。
    海か湖か川か、はっきりしません。
    しかしセザンヌの描く水は、悪と暗黒の世界であり、
    恐怖を一層際立たせる、大きな効果を生んでいるのです。
    水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です

    コップ一杯の水をきれいに クリンスイ

  3. ヨーロッパの水‥

    クリンスイ・ウォーターアライブ、
    今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。

    ヨーロッパを旅行して困るのは飲み水です。特に炭酸水は、いまだに苦手です。
    水の使い方にも驚かされます。
    洗剤での皿洗いのあと流水でゆすがず、そのまま布でふいて終わりという場面をよく見ました。
    美味しくて清潔な水が豊富な日本とは、水に対する考え方が根本的に違うのでしょう。
    日本の水の恵みを、いつまでも大切にしたいものです。
    水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です

    コップ一杯の水をきれいに クリンスイ

  4. ドイツの白鳥‥

    クリンスイ・ウォーターアライブ、
    今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。

    学生時代に初めてドイツへ行き、招かれたお屋敷の庭にある池で、
    白鳥がすべるように泳いでいるのを見ました。
    青い空、木々の緑、澄んだ水、そして白い鳥。
    お伽の国に迷い込んだようでした。
    広大な森林と点在する湖の美しさで知られるドイツですが、
    これぞという風景画がないのはなぜでしょう。
    そうそうたる音楽家たちに比べ、有名画家も多くはありません。
    ドイツ人が眼のひとではなく、耳の人だからかもしれませんね。
    水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です

    コップ一杯の水をきれいに クリンスイ

  5. オランダの風景画‥

    クリンスイ・ウォーターアライブ、
    今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。

    日本と違って、ヨーロッパでは風景画の誕生が遅く、
    17世紀のオランダから始まりました。
    オランダ風景画の代表作と言えば、遠近法のお手本とも呼ばれる、
    ホッベマーの作品「ミッデルハルニスの並木道」。
    海抜ゼロメートルの多いオランダは、大規模な干拓で国土を増やしてきました。
    風景画は愛国心の現れでもあったのです。
    かつては王侯貴族専用だった並木道を堂々と歩く狩人は、
    オランダの民衆そのものかもしれません。
    水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です

    コップ一杯の水をきれいに クリンスイ