作家・ドイツ文学者
中野 京子 さん
※音声が出ますので、音量にはご注意ください。
クリンスイ・ウォーターアライブ、
今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。
ギリシャ神話に登場するセイレーンは、
歌声で乗組員を惑わせ、船を沈める海の魔物です。
人魚の姿をした彼女たちは、多くの絵画に描かれてきました。
絵画からは、波の音、帆柱のきしみ、風の音とともに、
セイレーンの歌声が聞こえてくるようです。
英雄オデュッセウスすらも惑乱させた、怪しくも美しいセイレーンの歌声を、
皆さんも、絵画を通して聴いてみてください。
水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です
コップ一杯の水をきれいに クリンスイ
クリンスイ・ウォーターアライブ、
今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。
水を水らしく描くことは難しく、
睡蓮で知られるモネのような達人は、そう多くありません、
たとえば去年の「怖い絵展」に展示された セザンヌの「殺人」という作品。
男がナイフを振り上げる衝撃的シーンで、背景は夜の水辺です。
海か湖か川か、はっきりしません。
しかしセザンヌの描く水は、悪と暗黒の世界であり、
恐怖を一層際立たせる、大きな効果を生んでいるのです。
水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です
コップ一杯の水をきれいに クリンスイ
クリンスイ・ウォーターアライブ、
今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。
ヨーロッパを旅行して困るのは飲み水です。特に炭酸水は、いまだに苦手です。
水の使い方にも驚かされます。
洗剤での皿洗いのあと流水でゆすがず、そのまま布でふいて終わりという場面をよく見ました。
美味しくて清潔な水が豊富な日本とは、水に対する考え方が根本的に違うのでしょう。
日本の水の恵みを、いつまでも大切にしたいものです。
水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です
コップ一杯の水をきれいに クリンスイ
クリンスイ・ウォーターアライブ、
今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。
学生時代に初めてドイツへ行き、招かれたお屋敷の庭にある池で、
白鳥がすべるように泳いでいるのを見ました。
青い空、木々の緑、澄んだ水、そして白い鳥。
お伽の国に迷い込んだようでした。
広大な森林と点在する湖の美しさで知られるドイツですが、
これぞという風景画がないのはなぜでしょう。
そうそうたる音楽家たちに比べ、有名画家も多くはありません。
ドイツ人が眼のひとではなく、耳の人だからかもしれませんね。
水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です
コップ一杯の水をきれいに クリンスイ
クリンスイ・ウォーターアライブ、
今月は、ドイツ文学者の、中野京子さんが語ります。
日本と違って、ヨーロッパでは風景画の誕生が遅く、
17世紀のオランダから始まりました。
オランダ風景画の代表作と言えば、遠近法のお手本とも呼ばれる、
ホッベマーの作品「ミッデルハルニスの並木道」。
海抜ゼロメートルの多いオランダは、大規模な干拓で国土を増やしてきました。
風景画は愛国心の現れでもあったのです。
かつては王侯貴族専用だった並木道を堂々と歩く狩人は、
オランダの民衆そのものかもしれません。
水で世界に“waku-waku”を、クリンスイ 中野京子です
コップ一杯の水をきれいに クリンスイ